空き巣の行う「マーキング」とは?種類や意味、対策をわかりやすく紹介
2024.8.1

空き巣は犯行におよぶ前に家屋を下見し、「マーキング」を残すことがあります。防犯を強化するためにも、マーキングについて知っておくことが大切です。
この記事では、空き巣が行うマーキングとは何かを詳しく解説します。また、マーキングの見つけ方や見つけた時の対応、空き巣被害を防ぐための対策も解説するので、ぜひ参考にしてください。
空き巣の「マーキング」とは?
空き巣の「マーキング」とは、空き巣に入る家の情報を記すことや記したもののことです。空き巣はターゲットとなる家屋を下見し、住人が不在の時間や曜日、家族構成などを数字や記号で記すことがあります。
また、訪問販売員や新聞販売員などが、営業に関する情報をマーキングすることもあるようです。なお、どのような目的であっても、他人の住居や敷地内に印をつける行為は犯罪です。後述しますが、警察とも相談して適切に対応してください。
空き巣がマーキングする目的
マーキングは、空き巣にとっての情報源です。下見によって得られた情報をマーキングとして残すことで、次回、住人がいない時間帯や曜日を狙って空き巣に入りやすくなります。犯罪組織として活動している場合は、仲間への情報伝達手段としてマーキングを残すこともあります。
空き巣がマーキングする場所
空き巣がマーキングする場所は、たいていは玄関周りや勝手口周りです。次の場所はよくマーキングされることがあるので、チェックしてみてください。
- 玄関扉の枠
- 表札の側面
- インターフォンの側面・底面
- 郵便受けの側面や扉
- 窓枠
- 電気・ガス・水道のメーターボックスや配管
空き巣によるマーキングの事例
玄関周りや勝手口周りに、クギでつけられたような傷やペンで描いた文字、シールなどがないかチェックしてみてください。
何か不自然なものは見つかったでしょうか。もし見つかったのなら、それらの傷や跡、シールはマーキングかもしれません。よくあるマーキングの事例を紹介します。
文字・数字
傷やペンなどで、文字や数字が記載されていることがあります。よくある事例は以下をご覧ください。
- M:男性
- W:女性
- 学:学生
- S:一人暮らし
- F:ファミリー
- ル・留:留守
- 赤:赤ちゃんがいる
- w:平日(weekday)
上記や時間の情報を組みあわせて、次のように記載される例もあります。
- w8-21(ル):平日8~21時は留守
- 30SW_9・21:30代一人暮らし女性9時出勤・21時帰宅
記号
記号で記載されることもあります。
- 〇:侵入できる
- △:もう一息
- ×:侵入できない
「×」と書かれてあれば少しほっとしますが、「〇」と記されている時は不安ですよね。空き巣被害を防ぐためにも、すぐに警察に通報してください。
シール
シールが貼られていることもあるようです。よくある意味は以下をご覧ください。
- 黒いシール:男性、ファミリー、侵入が難しい
- 白いシール:女性、独身、侵入しやすい
- 黄色いシール:赤ちゃんがいる、侵入できる可能性がある
シールや記号を見つけても、「工事業者や管理会社がつけた印かも」と勝手に解釈して、そのまま放置する方もいるようです。
しかし、実は空き巣のマーキングだったというケースもあるため、放置するのではなく警察に通報しましょう。工事や管理の可能性が気になる方は、直接各業者に連絡し、「ポストに黄色いシールを貼っていませんか?」と尋ねておくと安心です。
マーキングを見つけた時の対処法
マーキングに気づいた時は、次の順に対応してください。
- 写真を撮ってマーキングを消す
- 警察に相談して空き巣対策を実施する
順を追って解説します。
1. 写真を撮ってマーキングを消す
警察に被害届を出すために、スマートフォンでもいいのでマーキングの写真を撮っておきましょう。写真を撮ったら、空き巣に狙われている可能性があるため、すぐにマーキングを消してください。
油性ペンなら除光液、シールならハンドクリームやシール剥がし、傷なら補修材を使ってできるだけ早く消しましょう。ただし、賃貸の場合は管理者に連絡したうえで、 これらの対応をとると望ましいです。
2. 警察に相談して空き巣対策を実施する
マーキングは、空き巣や違法性のある訪問販売に狙われている可能性を示しています。まずは警察に伝えてから、防犯カメラの設置や防犯フィルムなどの空き巣対策をしましょう。
空き巣対策は、次の章で詳しく解説します。
空き巣の被害を事前に防ぐ4つの対策
マーキングは、空き巣の危険がすぐそばまで迫っていることを示す印です。空き巣の被害に遭わないように、次の対策を実施しましょう。
- 玄関や窓の施錠を徹底する
- 防犯アイテムを取り入れる
- 近所で助け合う
- ホームセキュリティーに加入する
それぞれの対策を解説します。
玄関や窓の施錠を徹底する
日頃から、玄関や窓を施錠する習慣を付けることが大切です。警視庁が公開している「侵入窃盗の侵入口」によると、一戸建て・共同住宅ともに「窓」または「表出入口」からの侵入が多く、7割を超えています※。
また、窓を破壊して侵入するケースよりも、鍵がかかっていない窓・玄関から入るケースが多いことも報告されています。在宅・不在時にかかわらず、またごみ捨てなど短時間の外出時も必ず施錠するようにしてください。
- ※ 参考:警察庁|住まいる防犯110番
防犯アイテムを取り入れる
防犯カメラや人感式のセンサーライトを取り付けたり、ピッキングされにくいとされるディンプルキーやロータリーディスクタンブラキーなどの防犯キーを使ったり、防犯フィルムを貼ったりするのもおすすめです。
防犯アイテムを選ぶ時は、CP部品であることを示す「CPマーク」に注目してみてください。CP部品とは、商品ごとに定められた試験によって抵抗時間(ピッキングなどの行為を開始してから内部に侵入可能な開口になるまでの時間)が5分以上であると確認されている部品です。
空き巣などの侵入犯の約7割は、侵入するのに5分を超える時は諦めるといわれています。少しでも空き巣の被害を防ぐためにも、ぜひCPマークをチェックしてみてください。
近所で助け合う
近所で助け合うことで防犯意識の高い地域であることを印象付け、空き巣に「この地域は空き巣に入りにくい」と思わせることも大切です。
空き巣は事前に下見を行い、人どおりの少なさや住民同士のコミュニケーションの有無などを確認したうえで、犯行に及んでいるといわれています。普段からご近所同士で挨拶する、防犯グループをつくってパトロールを行うなど、協力し合って地域全体で防犯力を高めましょう。
また、普段から近所の方とコミュニケーションを取っていれば、知らない人に気付きやすくなり、空き巣がマーキングしにくい環境になります。
自治体によっては、地域の防犯活動と自治体、警察が連携して情報提供を行う取り組みを実施していることもあります。お住まいの地域でできる防犯活動に関して、自治体に相談してみるのもおすすめです。
ホームセキュリティーに加入する
IoTなどの技術を活用したホームセキュリティーサービスもあります。外出先から電気を付けたり、カーテンを遠隔操作したりすることで、外出時も防犯を強化できるかもしれません。
また、ホームセキュリティーサービスは、みまもり機能としても活用できます。一時的に家屋内が子どもだけになる時や、日中は高齢者のみで過ごす場合などは、ホームセキュリティーサービスに加入し、室内カメラやセンサーなどの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
家の外も中も対策できる「MAMOLEO」の新しい防犯みまもりサービスがおすすめ
「ホームセキュリティーサービスを導入したいけれど、大がかりな工事や毎月多額の費用がかかるのは避けたい」という方も多いのではないでしょうか。
そのような方におすすめのサービスが「MAMOLEO」の新しい防犯みまもりサービスです。IoT機器とスマートフォンアプリで空き巣対策をはじめられます。また、駆けつけサービスもあり、万が一の時にも安心です。
ベーシックプラン
初期費:3,300円(税込)
月額利用料:2,200円(税込)
- IoT機器により、宅内のみまもり・安全を確保できる
- 自宅への依頼駆けつけサービス(年1回・最大30分無料) など
オプションサービスのGPSタグ※を選択すれば、外出中のお子さまのみまもりにもご利用いただけます。自宅カメラやスマホアプリと連動させれば、カメラのオン・オフも自動操作が可能です。
また、警備員が駆けつけるサービスは、2回目以降も1回30分あたり5,500円でご利用いただけます。窓の開閉センサー、人感センサーなどでスマホに通知がいくため、おかしいと思った時はすぐに駆けつけサービスをご利用ください。
MAMOLEOなら、家ナカだけではなく家ソトもトータルでみまもるので安心です。コストを抑えてセキュリティー強化を実現したい方も、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
- ※ 「GPSタグ」は、月額料金1,100円/台(税込)でご利用いただけるオプションサービスです。
まとめ
家の周辺にマーキングらしい印を見つけた時は、すぐに写真を撮って警察に届けましょう。また、防犯アイテムやホームセキュリティーサービスを活用した、防犯の強化も大切です。
マーキングがない場合も、防犯の強化は必要です。防犯に注意していると一目でわかるようにすれば、空き巣に狙われにくくなります。ぜひ防犯を意識し住まいづくりに取り組みましょう。
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記事監修
総合危機管理アドバイザー
三沢おりえ
防犯・防災の総合危機管理専門家。メディア、講演会、セミナー、監修などで活動。企業、自治体、大学向けに行う座学と実技の逃げるための護身術、ダイバーシティ系セミナーやハラスメント対策や防犯、防災指導など、ストレスを最小限抑えた形式で行う講座に定評がある。総合防犯整備士、危機管理士、非常食研究家、元硬式空手世界チャンピオン。日本災害危機管理士機構、日本防犯設備協会、総合防犯士会所属。