「小4の壁」とは?保護者が知っておきたい乗り越えるための方法を解説
2024.8.1

子育ての過程では、子どもの成長段階に応じて様々な「壁」が存在します。「小4の壁」という言葉を耳にしたことはあっても、具体的な内容を知らない人も多いのではないでしょうか。
小学校4年生頃は、勉強や友だちとの関係など様々な面で問題を抱えやすくなる時期です。子どもの発達をよく理解し、適切にサポートしていくことが大切です。
この記事では、小4の壁の概要や発生する原因、保護者ができる対策を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
小4の壁とは
「小4の壁」とは、小学校4年生(9~10歳)頃の子どもが勉強面や人間関係で悩みを抱え、劣等感を抱いたり自己肯定感が低下したりする現象です。「9歳の壁」や「10歳の壁」と呼ばれることもあります。
小学校低学年までの子どもは、物事の捉え方が主観的な傾向がありますが、小学校4年生になると脳の発達によって抽象的な概念も理解できるようになります。その結果、周囲の友だちと自分を比較して劣等感を抱いたり、自己肯定感が下がったりします。
また近年注目されているのは、保護者側の壁の存在です。共働き家庭の増加により、放課後の子どもの居場所の確保に課題を抱える家庭が増えています。
小4の壁が起こる原因
小4の壁が起こる原因は、子どもの特性や家庭環境によっても異なりますが、特に多い原因として以下の3つが挙げられます。
- 抽象的な内容が増え、勉強の難易度がアップする
- 周囲と自分を比較する
- 共働き家庭の小学生の居場所問題
以下でそれぞれを詳しく解説します。
抽象的な内容が増え、勉強の難易度がアップする
小学校低学年までの算数は、足し算や引き算、九九など具体的にイメージしやすい計算問題が中心ですが、中学年になると分数や小数など、抽象的な概念を扱う内容が増えます。
一般的に、抽象的思考力が育つのは9〜10歳頃とされていますが、発達には個人差があるため、理解が追いつかない子どもが一定数存在します。
算数だけでなく、国語でも論理的思考力が求められる問題が増え、総じて難易度がアップするのがこの時期の特徴です。
周囲と自分を比較する
小学校4年生になると抽象的な思考力が発達するため、自分を客観的に捉えられるようになります。
低学年のうちは親の褒め言葉を素直に受け取っていた子どもでも、小学校4年生になると周囲と自分を比較して、「自分はできない」「頭が悪い」と悲観的に考えてしまう場合があります。
抽象的思考力や客観的に物事を把握する力は、大人になるために必要な能力です。そのため、保護者としては過度に心配するのではなく、長い目でみまもる姿勢が大切です。
共働き家庭の小学生の居場所問題
近年、共働き家庭が増えたことにより、放課後の子どもの居場所が問題となるケースが増えています。特に、学童の待機児童が多い自治体では4年生以上になると学童を出なければならないこともあり、どのように放課後の居場所を確保するかが保護者の課題となります。
解決策としては、「両親のいずれかが仕事を調整する」「近くに住む親族のサポートを受ける」「習いごとをさせる」などの選択肢があります。
小4の壁で見られる具体的な子どもの変化
小4の壁を迎える子どもに多く見られる変化として、以下の3つが挙げられます。
- 学習面のつまずきが発生する
- 劣等感から自信を失いやすくなる
- 友人関係の複雑化やトラブルが起こる
それぞれの詳細を解説します。
学習面のつまずきが発生する
中学年になると特に算数の難易度がアップし、概数や角度のように抽象的な概念の学習内容が中心となります。低学年のうちは頭のなかで具体的なシチュエーションをイメージしながら解ける問題が大半ですが、中学年以降はそれができなくなり、戸惑う子どもが増えやすいとされています。
また、読解力の差が顕著にあらわれるのもこの頃です。国語や算数の文章問題の難易度が上がり、質問の意図を正確に理解できないと正解にたどり着けなくなります。
劣等感から自信を失いやすくなる
自分と他者を比較するようになると、自分が他者より劣っている面ばかりが気になり、劣等感から自信を失いやすくなります。
自分に自信が持てなくなると物事への意欲が失われ、「新しいことにチャレンジする」、「粘り強く何かに取り組む」、「失敗から立ち直る」ことが難しくなります。
反応のあらわれ方は子どもによって様々です。なかには心を閉ざして自分の殻に閉じこもってしまったり、他人に対して攻撃的になったりする子どももいます。
友人関係の複雑化やトラブルが起こる
小学校4年生になると気の合う仲間同士で集まるようになり、友人関係が深まります。低学年までは誰とでも仲良くしていた子どもでも「気が合う、合わない」の区別がはっきりしてきます。
友人関係が深まること自体は良い変化ですが、同調圧力が生まれたり、些細なことが原因で仲間外れになったりと、トラブルが起きやすいのもこの時期です。
また、「勉強についていけない」などの悩みから自信がもてなくなると、友人関係に悪影響をおよぼす場合もあります。
保護者ができる対策やサポート
小4の壁に直面する子どもに対し、保護者ができる対策やサポートは、以下のとおりです。
- 学習面のつまずきは復習でサポートする
- 自己肯定感を高める働きかけをする
- 子どもと楽しい時間を共有する
- 留守番のルールをつくる
なお、小4の壁は子どもの成長のために必要な変化です。心配になってしまうかもしれませんが、子どもとのコミュニケーションを大切にしながら、焦らずにみまもりましょう。
以下で、保護者ができるサポートを詳しく解説します。
学習面のつまずきは復習でサポートする
学習面でのつまずきや遅れを克服するためには、復習がポイントとなります。つまずきの原因が低学年の学習内容の理解不足にある場合は、低学年の教科書や問題集に戻って復習するようにしましょう。
そのとき大切なことは、出来ない部分からやるのではなく、できる部分から取り組むことです。それにより、自信を持てるようになっていきます。
遠回りに感じるかもしれませんが、子どもが理解できる学習内容まで遡ることによって理解が深まるとともに、子どもが自信を取り戻すきっかけとなります。
自己肯定感を高める働きかけをする
小学校4年生の子どもは自分の短所ばかりが気になり、自信を失いやすいことが特徴です。保護者には、子どもの自己肯定感を高める働きかけが求められます。
自己肯定感を高めるためには、「褒める」ことが効果的ですが、わざとらしく行うと効果はありません。自然に「認める(承認)」イメージで声かけをしてください。
また、なんとなく「すごい」「えらい」と褒めているだけでは効果は薄いでしょう。「今まで苦手だった計算問題が全部できたね。よくがんばったね」など、具体的に褒めるようにしましょう。「お手伝いをしてくれて助かる、ありがとう」と感謝の言葉を伝えるのも効果的です。
子どもと楽しい時間を共有する
小学校4年生の子どもは、精神面や身体面の成長が顕著であるからこそ、心のなかにモヤモヤした気持ちを抱えやすくなります。気分を変えてリフレッシュするためには、親子で楽しい時間を共有する機会を持つことがおすすめです。
一緒に映画を観たり料理をしたり、日常のなかで無理せずできることでも良いでしょう。日ごろから親子でコミュニケーションを取り、子どもがストレスを溜めないように働きかけることがポイントです。
留守番のルールをつくる
両親の仕事の都合により、子どもを1人で留守番させなければならないケースもあるでしょう。その場合は、留守番のルールづくりが大切です。
以下のようなルールを決めておくと、親も子どもも安心して過ごせます。
- 何か困ったことがあったらすぐに親に電話する
- 来客があっても出ない
- ベランダなど、危険な場所には行かない
- 鍵は使用したらすぐにランドセルの決められた場所にしまう
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例えばベーシックプランの場合、IoT機器により自宅内のみまもりや安全確保を行えるほか、年1回・最大30分無料の依頼駆けつけサービスもご利用いただけます。
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屋内カメラは通話機能も付帯しているため、お子さまが一人で家にいる時でもカメラを通して保護者のスマホと話すことができます。
一方、人感センサーは、赤外線センサーによって異変をお知らせするため、プライバシーに配慮したみまもりが可能です。
さらにオプションサービスのGPSタグ※を活用すれば、屋外の行動のみまもりも可能です。例えば、自宅や学校の場所を指定すると、お子さまが指定場所を通過したタイミングで通知を受け取れます。家のなかだけでなく、屋外でもお子さまの安全をみまもることが可能です。
- ※ 「GPSタグ」は、月額料金1,100円/台(税込)でご利用いただけるオプションサービスです。
まとめ
この記事では、小4の壁の概要や原因、保護者ができるサポートを解説しました。小4の壁は子どもが成長する上で必要な変化であり、保護者としては過度に心配せず長い目でみまもることが大切です。
小学校4年生になると行動範囲が広がるとともに1人で留守番する機会も増え、保護者としては心配になるでしょう。子どもの安全面に関しては、子どもをみまもる防犯サービスの利用がおすすめです。
「MAMOLEO」なら、IoT機器によりお留守番中のお子さまの安全をみまもることができるので、ぜひご検討してみてください。
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記事監修
石田 勝紀(いしだ かつのり)
(一社)教育デザインラボ代表理事。都留文科大学国際教育学科元特任教授。20歳で起業し学習塾を創業。34歳で、都内私立中高一貫校の常務理事として学校改革を実践。現在は全国各地でカフェスタイル勉強会「Mama Café」を年間130回以上主催。『東洋経済オンライン』の連載は累計1.3億PV超。『音声配信Voicy』フォロワー1万6千人。著書は「子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば」など国内28冊、海外13冊出版。