お留守番は何歳からできる?子どもを一人にさせるリスクと事前準備を解説
2024.8.1
子どもを一人でお留守番させてもよいか悩んでいる保護者も多いのではないでしょうか。「仕事で帰りが遅くなる」、「急用で子どもの預け先がない」など、子どもを家に残して外出しなければならない場合もあるでしょう。
この記事では、一般的に子どものお留守番は何歳からできるのかを解説します。
子どもを一人でお留守番させるリスクやお留守番させる時の事前準備も解説するので、ぜひ参考にしてください。
子どものお留守番は何歳から?
家庭環境や子どもの成長状況によってさまざまですが、小学校1年生からお留守番を始めることが多いようです。
共働き世帯の増加に伴い、「小1の壁」に悩まされている家庭は少なくありません。学童保育に預けられる時間は、保育所と比べて短く、小学校入学を機に仕事と子育ての両立がより難しくなるのが一般的です。
小学1年生からお留守番をさせている家庭が多いのは、こうした現状も影響しており、「小学校に上がれば安心してお留守番をさせられる」というわけではありません。
いきなり長時間のお留守番をさせるのではなく、ゴミ出しに行っている間や家の前のコンビニに行く間だけなど、短時間からはじめ、様子を見ながら進めましょう。
お留守番の年齢に関する法律はない
日本では、子どものお留守番に関して年齢や時間などで制限する法律上の基準はありません。そのため、家庭の状況に応じて保護者がお留守番をさせるかどうかを判断する必要があります。
海外では、法律で子どものお留守番を禁止している国もあります。例えば、ニュージーランドでは、以下の条件を満たさない場合、14歳未満の子どもを家に残してはいけません。
- 14歳以上の信頼できる人物が監督する
- 安全が確保されている
- お留守番の時間が長時間ではない
上記を満たさず子どもを放置した場合、最大2,000ドルの罰金が科される可能性があります。
また、アメリカ合衆国でも、イリノイ州は14歳未満、オレゴン州は10歳未満、メリーランド州は8歳未満までの子どもを家に放置することは認められていません。
日本ではこうした法律上の制限はありませんが、子どもを長時間放置すれば、保護者としての監護を著しく怠る虐待行為(ネグレクト)とみなされる可能性があります。
子どもを一人でお留守番させるリスク
子どものお留守番には、様々なリスクが伴います。子どもを家に一人で残した時に起こり得る主な事故・トラブルは以下のとおりです。
- 犯罪被害
- ベランダや窓からの転落事故
- お風呂での溺水事故
- 火事や火傷
- 地震などの災害
犯罪被害
子どもを一人でお留守番させると、犯罪被害に遭うリスクが高まります。
- 侵入窃盗・強盗
- 強制わいせつ
- 誘拐 など
警察庁によると、鍵のかかっていないドアや窓から忍び込むだけでなく、宅配業者などの業者を装って侵入する悪質な侵入強盗も発生しています※。家庭ごとに、対処法や逃げ込む場所などを決めておく必要があるでしょう。
- ※ 出典:警察庁|住まいる110番
ベランダや窓からの転落事故
子どもがベランダや窓から転落するリスクにも注意が必要です。高所から転落すれば、命にかかわる場合もあります。
東京消防庁によると、2019年から2023年までの5年間に、65人の子ども(5歳以下)がベランダや窓からの転落で救急搬送されました※。過去には、以下のような事故が発生しています。
- 網戸に寄りかかって遊んでいた際に網戸が外れて転落した
- ソファによじ登り、窓を突き破って転落した
- ベランダの室外機に登り、手すりを越えて転落した
- ベランダで手すりにつかまっていたところ、前のめりになって転落した
お風呂場での溺水事故
お風呂場での溺水事故は、年間を通じて発生しています。
東京消防庁によると、2020年中に5歳未満の子ども19人が医療機関に搬送されました※。リビングで遊んでいた子どもの姿が見えなくなり、探すと浴槽内で浮いていたなど、入浴中以外にも事故は発生しています。
- ※ 出典:東京消防庁「溺水事故に気を付けて!」
火事や火傷
火傷やケガのリスクにも注意が必要です。東京消防庁によると、2021年中に火傷で救急搬送された方の4割以上が14歳以下の子どもでした。また、火傷の発生場所を見ると、「自宅等居住場所」が8割以上にのぼります。※
以下のように様々な事故が想定されるため、十分な対策が必要です。
- インスタント麺を倒してしまった
- 電気ケトルをひっくり返した
- 電子レンジで長時間加熱しすぎた
- アルミ包装に入れたまま電子レンジで加熱した
- 炊飯器の蒸気を触ってしまった
- ストーブやコンロで火傷をした
さらに、子どもの火遊びによって火事が起きるおそれもあります。
地震などの災害
子どもが一人でお留守番をしている時に地震などの災害が起きるかもしれません。
地震大国の日本では、ここ数年大きな地震が立て続けに発生しており、今後も高い確率で大規模な地震が発生すると予想されています。まだ見つかっていない活断層もあり、どこでいつ大きな地震が起きてもおかしくない状況です。
予測できない災害に備え、日頃から地震が起きた時の対処法を話し合う、隠れる場所を決めておくなどの対策が求められます。
子どもにお留守番させる時の事前対策
十分な対策を行わないまま子どもを一人でお留守番させると、犯罪や事故、思わぬケガなどにつながりかねません。子どもにお留守番させる時は、事前対策をしっかり行いましょう。
- ドア・窓を確実に施錠する
- 電話や来客があった時のルールを決める
- 転落事故につながりそうな物を撤去する
- 浴槽に水を溜めない
- 火による事故を防ぐ
- 地震が起きた時の行動を決めておく
ドア・窓を確実に施錠する
日頃からドア・窓の施錠を徹底し、ドアチェーンをかけることを習慣づけましょう。鍵がかかっていないドアや窓があると、不審者が侵入するリスクや転落事故が起きるリスクが高まります。
また、玄関ドアは補助錠(2つ目の鍵)をつけて防犯性を高め、窓は子どもの手が届かない位置に補助錠などを設置して転落事故を防止しましょう。
子どもだけで家に出入りする家庭では、子どもが施錠を忘れないよう玄関にメモを貼っておくなどの対策も必要です。
電話や来客があった時のルールを決める
子どもにお留守番をさせる時は、「お留守番中の電話や来客には何があっても対応しない」などのルールをあらかじめ決めて伝えておきます。
配達は保護者が在宅している時間を指定し、電話は留守番電話などを利用しましょう。また、予期しないトラブルが起きた時にすぐ連絡が取れるよう、連絡手段を用意することも大切です。
転落事故につながりそうな物を撤去する
ベランダや窓付近にある室外機や植木鉢、ゴミ箱、踏み台など、転落の原因になり得る物は外出前に撤去しましょう。
一人でベランダに出ないよう伝えた上で、子どもが窓を開けられないよう高い位置に補助錠をつける、転落防止ネットを設置するなどの対策も行います。
浴槽に水を溜めない
浴室のドアに鍵をつけるなど、子どもが一人でお風呂場に入れないようにした上で、浴槽の水は抜いて外出しましょう。
子どもの溺水事故は、水深が浅くても発生します。留守番中に限らず、目を離した隙に思わぬ事故が起きる可能性もあるため、普段から入浴後すぐにお湯を抜く習慣をつけることが大切です。
また、ドラム式洗濯機はチャイルドロックをかける、洗剤やワックスは誤飲などを防ぐために手の届かないところに置くなどの対策も行いましょう。
火による事故を防ぐ
火災や火傷を防ぐため、ライターやマッチ、アイロン、電気ケトルなどの危険な物は、手の届かないところに収納しましょう。
また、ガスコンロの元栓を閉め、お留守番中に子どもが電子レンジなどで調理しなくてもよいように食事を用意しておくと安心です。
過去には、子どもがお留守番中にホイル包装のまま電子レンジで加熱し、発火した事故も起きています。
子どもがお留守番中に電子レンジを使う場合は、あらかじめ電子レンジで加熱できる容器に入れておくなどの準備が必要です。事故を防ぐため、日頃から火の危険性を伝え、電子レンジの正しい使い方を練習することも大切です。
その他、包丁やジューサーなどのケガにつながるおそれがある刃物類も、子どもの手の届かないところに収納しましょう。
地震が起きた時の行動を決めておく
地震や火災などの災害が起きた時、どのように行動するのかを事前に決めて伝えておきましょう。
- 地震が起きた時の隠れ場所・待ち合わせ場所
- 家族との連絡方法
- 火事が起きた時の逃げ方
- 消火器の使い方など
災害に備えて水や食料を備蓄する、家具が転倒しないよう固定するなど、防災対策の見直しも行うと良いでしょう。
子どものお留守番が心配な時の対処法
子どものお留守番には様々なリスクが潜んでいます。そのため、自宅に子どもを一人で残し、安心して外出できる明確な年齢はありません。一人でお留守番させるのが心配な場合は、以下の方法も検討しましょう。
- 学童保育に預ける
- キッズシッターを利用する
- ホームセキュリティーを導入する
学童保育に預ける
親戚や近くに住む友人に頼れない場合は、子どもを学童保育に預けられないか検討しましょう。
公立の学童保育(放課後児童クラブ)には、利用条件や受け入れ上限があり、入所できるとは限りません。ただし、こども家庭庁では、できる限り早期の待機児童解消を目指し、学童保育の受け皿整備を推進しています。
また、民間学童保育への入所を検討するのも手段のひとつです。民間学童保育とは、条例で定める基準に従って民間事業者が実施する学童保育です。一般的に、料金は公立と比べて高めに設定されていますが、カリキュラムや行事などが充実している傾向があります。
キッズシッターを利用する
キッズシッターとは、小学校へのお迎えや子どものお世話などを代行してくれるサービスです。
- 小学校へのお迎え
- 自宅での子どものお世話
- 習い事の送迎
- 食事や洗濯などの家事代行 など
費用は発生しますが、子どもの身の回りのお世話だけでなく、宿題のみまもりや本の読み聞かせ、子どもとの工作なども依頼できる場合があります。キッズシッターサービスによって異なりますが、週1回などの定期プランに加え、単発での利用も可能です。
自宅で子どもを見てもらうため、料金だけでなく、事前面談ができるか、信頼できるかなどを踏まえて慎重に検討しましょう。
ホームセキュリティーを導入する
ホームセキュリティーとは、火災やガス漏れ、侵入などの異常を感知した時に警報や自動通報などが行われ、警備員が駆けつけるサービスです。みまもりカメラによる監視やセンサーの検知によって、お留守番中の子どもの安全や自宅を守ってくれます。
ホームセキュリティサービスによっては、外出先からアプリなどで子どもの帰宅を確認できるため安心です。また、家の目立つところに防犯ステッカーを貼ると、子どもを狙った犯罪の抑止効果も期待できます。
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まとめ
子どもにはじめてお留守番をさせるのは小学1年生ごろという家庭が多いですが、小学生になれば安心してお留守番させられるわけではありません。
しかし、学童保育に預けられる時間が短い、学童保育に入れないなどの事情で、やむを得ずお留守番をさせるご家庭もあるでしょう。
子どもを一人でお留守番させる際は、犯罪や火傷などのケガ、溺水事故、地震などのリスクを理解し、事前対策をしっかり行うことが大切です。また、ルールを決めて子どもとよく話し合い、短時間のお留守番からはじめましょう。
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記事監修
一般社団法人全日本防犯グッズ協会 会長
奥本 一法(おくもと かずのり)
1999年、日本で珍しい護身用品専門店を開業し、多くの防犯グッズを提供。その過程で、日本人の防犯意識の低さに危機感を抱き、2014年に防犯意識の向上と防犯グッズの普及を目的とした「一般社団法人全日本防犯グッズ協会」を設立。防犯設備士としての仕事を行いつつ、通り魔事件や無差別殺傷事件の増加に対応するため、護身の専門知識を活かし、防犯意識の向上と防犯グッズの理解と普及を目指している。